bvdub tokyo









4年前のRAインタヴューでの一節について、私は彼に伝えたいことがあった
つたない英語でそのことを告げると、彼は、シャツの襟ぐりからタトゥーの覗く厳つい風貌に似つかわしくない温かい笑顔を私にくれた
それからちょっとした時間の後にbvdubは私を探してくれて、私が飛行機に乗って逢いにきたこともあってか、iphoneを使い日本語のかけらを集めた愛溢れるメッセージをくれた
彼の創る音楽そのままのような人となりだと思って胸にじんときた

柔らかいソファーに寝そべりながら夢うつつで聴いた2時間の50人限定ライブは、感情的で美しい、アンビエントとカテゴライズするには忍びない、とてもソウルフルなものだった
宙に舞う羽衣のようなメロディーが幾重にも連なり交差し、重厚な音は轟いては引き算されてゆく
それらは気が遠くなるまで膨らんだりして時間を歪ませていたし、轟音を浴びた身体は文鎮のように重くなり深海の底までズブズブと落ちてゆくようだった
まばゆいほどの美しさに目を細めることもあった

あなたの創造する音楽、心を動かすような音楽は言葉を超越することを私たちは知っている
色とりどりの会話よりも、指で触れ合うことよりも、早く、深く、親密になれる方法を知っている
だから、
music spoke to and from your own heart
i think so too when touch your music,bvdub

終演後、彼は胸の前で手のひらを静かに合わせていた



2013.2.16 nishiazabu,tokyo
peak silence presents day by day
and thanks,taguchisan(AN/AY) 







narita to fukuoka






マイク(Remote_)は以前に、感情を素直に表に出す人間にとってはこの音楽シーンはタフな場所だと言ったんだ。 
彼は正しいよ。
ずっと昔、僕はそのつらい道を見つけた。 
でも、正しいと思った道を進み続け、そして 世界にポジティブな影響を発信できる事を願うしか選択肢はない。
 僕にとって好きな事をやり続けるということは 決して難しいことではないと思う。
なぜなら、僕は好きな事をやり続ける事しか知らないからだ。 
そして、世の中での名声や成功の為に、それを犠牲にするつもりはない。




音楽はかつて物語を伝えていたものだ。 
音楽といえば、誰かの生命について語り、誰かの経験について語り、
 そして一般に生命のことについて語るものだった。
音楽は心を通じた会話なんだよ。 
僕には音楽がどこに行ってしまうかわからないよ。 
でも、昔のように戻ってくれたらなと思う。



(2009 bvdub interview)













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16 hours in tokyo

寒空、渋谷outback、ヒカリエ、西麻布bullet's、無音の焼き鳥屋、京王線、仙川ミルチ、新宿のアナウンス、行けず仕舞いのDIC川村










訪れるたびにロスト感が増してゆく私のトキオ
私の周りだけ、限りなく透明に近い皮膜で覆われているみたい

帰路、
飛行機から見下ろしたインナーサイエンスのエレクトロニカふうの福岡の夜景を私はきっと忘れない
並走していた電車の光を追い越して、15分遅れで飛行機は空港に着陸した