集大成の沢登り 石鎚山系 高瀑渓谷



2022.07.17(日)

去年の夏、備中でお会いしたTさんから「難し過ぎて全然進まないゴルジュ」とお勧めしていただいた愛媛は加茂川「高瀑(たかたる)渓谷」へ。今年の目標にしていた一本。

石鎚山系はアブがヤバい(※経験済み)のでベストシーズンは短い。 

本来なら二日間かけて下部から遡行するところ、核心と噂の中部ゴルジュから高瀑までを繋げ、無理矢理ワンデイに集約。13時間行動見積でAM5時スタート。

 梅雨の戻り、前日の黒瀬ダムの累計降雨量30mm(+3日前くらいから降水続き)で、林道から見下ろす下部ゴルジュは超絶ホワイトでドン引き。小1時間歩いた先の中部入り口は谷幅の広さゆえか落ち着いてましたが、ゴルジュに入るとやっぱり増水気味か? しかし、ギリ快適に遡行できる水量で助かりました。

 Tさん達が「巻いたらH100m先の林道まで追いやられた滝」を、夫のアイディアと登攀力で突破できたのがハイライト。振り返ればここ界隈が今回の最大の核心部。ググれどもこの滝の突破の記録が見当たらない。下山後知ったが、中部の遡行記録が2件しかない。 

怪物の臓器内に入り込んだかのような、ヒリヒリする極上のゴルジュ。九州にあったらボルトの30本や40本は打たれてゲレンデ化してそうですが、残置皆無。ハーケンすら無い。四国の岳人の潔さに胸打たれる。 「四国の沢屋からから言ったら、静かにしておいてほしい場所。」そうだろうね。ボルトとか絶対に打ったら駄目って思う。

 普段の沢で無駄にゴルジュストロングしている成果も繋がった。いつもは側にある道を横目に強点を行きますが、その突破方法が今日の弱点だったりする。 また、いちいちロープを出してたらワンデイどころかツーデイズも無理。夫がソロで突破した後、私もすぐソロで続き、抜けでお助け紐を貰うの繰り返し。私達のいつものスタイルですが、その強度とスケールが段違いで心臓がキュッと痛む思い。 

今回ももれなく、夫の登攀力あってこその高瀑渓谷遡行。私が強ければ夫は楽できたはずなのに、忍耐強く、私を何度もサポートしてくれた。

憧れの高瀑に連れてってくれて本当にありがとう。 ぶっち切りで、過去最高、最強の遡行でした。 これ以上の遡行は私はできる気がしない。夫も満身創痍でした。 


 

諏訪神社近く林道から第四橋まで 1時間 

遡行 8時間 

下山 3時間

 人数 2人


 







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