渓谷登攀の世界へ 2021年後編

10本目(2名)

鹿児島 大隅半島 高須川右俣

開門岳が遠く望める草原の牧場を出発し、暗めのゴルジュで出される数々のユニークな滝に没頭していたら、急に落差62mの白光りする白滝の大舞台に投げ出される。カタルシス度で言えば過去ベスト1。白滝まではゴルジュ~日本庭園といった様子で登れる滝が多いが、巻けるので2級くらいかと思うので、九州で沢登りしている人は是非行ってみてほしい。白滝の先はのんびりとした沢歩きなので、個人的には白滝ゴールがおススメ。この日は増水していたが、ギリギリ登れるか登れないかの水量で、私たちには良い塩梅でした。情報によるとここのゴルジュは水量が多いとひたすら巻きらしいです。

 

 11本目(4名)

宮崎 脊梁霧立越 木浦谷 

沢の疲れがたまっており、両腕に蕁麻疹が出てきた、、、が、やっぱり沢へ行きたい。出発前日に地形図を見ていて木浦谷を発見(ちなみにこのアナログなやり方で行きたい沢を探すのが好きなのです)。記録を見ていると面白そうだったのでいつもの通りあまりググらず即決。するも、標高が高く9月に入った木浦谷の水温はかなり冷たく、いつものストロングスタイルが萎え萎え。下山路は登山道外のガレた悪尾根を無理矢理下るのだけれども、疲れで足のふんばりがきかず、相当な時間をかけて下山。間違いなく今期イチハードな沢登りでしたが、2級くらいの沢。ここは来年盛夏に水線突破でリベンジしたい。

 

12本目(2名)

宮崎 霧島 長江川(中流域)

いよいよ沢納め。長江川の前に霧島川を小一時間くらい沢登して長江川へ移動。霧島のミルキーブルーの渓相に始終感動。しかし水深が分かりづらく、ドボンするのがなかなか怖い。長江川は水量核心らしいので、晴れ続きの日を狙っていったが、谷幅のもともとの広さか、もしくは斜度のゆるい山域だからか、水量がすごい。しかし、沢納めということもあって、岩歩きも選択できたが、最初から最後までずっと水線を攻め、心の底から満足する一本になった。バカでかい25mプールクラスの釜、龍のうろこのような逆層のゴルジュ、複雑に巻いた釜、、素晴らしかった。色んなグレードの人が行ける沢だと思うので是非。

 

2021年12本遡行のおすすめランキング

1位 甲川

2位 猿ヶ城渓谷・高須川右俣・ナメエゴ支流(同列多すぎ)

3位 長江川

甲川は今は崩落して消失した上ノ廊下が素晴らしかったらしい。下~中までのセクションでもかなり良かったと思うが、それを聞くと残念だ。アブ地獄を加味しても素晴らしかったし、甲川で世界観が変わったくらいの衝撃的沢だった。

 

私も夫も、大滝登攀・源頭まで詰める等のジャンルに興味がなく、ゴルジュ突破&泳ぎ沢が好きだ。と今期を経て気が付いた。ゴルジュストロングスタイルと言えるのかは分からないが(笑)、目の前に出される強点のなかの弱点を突破することに没頭し、すぐそばを歩いて巻けたとしても、激流に無駄に突っ込んで挑戦した夏だった。傍から見たら引かれるレベルだったと思うが、誰もいないので別に構わない。そのおかげかこのひと夏で水の流れを読む力が少しは付いたように思う。夫と一緒ならば所謂3級の沢くらいまでは余力がある。来夏はもっと難易度の高い沢に行きたい。大西さんの渓谷登攀に「沢は難易度と充実度は比例する」みたいなことが書かれていたけど、言い得て妙だなと思う。調べる限りでは近場の屋久島の渓谷には私たちの求める沢登りはない気がしたので、本州か四国だなと思う。

 

高須川右俣 白滝

高須川右俣 このCSの先に抜け道はなかった

高須川右俣 ギリギリの水量

高須川右俣 ギリギリの水量 強点を行く

木浦谷 実はこのセクション間違えたところです 面白かったし直ぐ本流に戻れた
木浦谷 幻の大滝2~3段目?

長江川中流 F1

長江川 霧島ミルキーブルーの25mくらいのプール

長江川 大滝落ち口

長江川 水量多い

長江川 光る大滝 フリーソロ

長江川 竜の鱗ゴルジュ

長江川 泳ぎを堪能

長江川 25mプール釜を泳ぐ

長江川 中流域で一番大きな滝 泳いだ

長江川 複雑な水流の釜をストロング

霧島川 ハワイっぽい(行ったことない)

 

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